クリスティの『そして誰もいなくなった』、仏語タイトルが変更

アガサ・クリスティの長編ミステリー『そして誰もいなくなった』の仏語タイトルが変更された。8月26日発行の Le Livre de Poche シリーズでは、これまでの『Dix petits negres』(10人の小さなクロンボ)が『Ils etaient dix』(最初は10人だった)に変更された。アガサ・クリスティのひ孫のジェームズ・プリチャード氏は、仏語タイトルの改名について、クリスティの作品で使われた言葉で特定の人が傷つくことは望んでいないからだ、と説明した。
1938年に英国で発刊された時のオリジナル・タイトルは『Ten Little Niggers』だったが、黒人を侮蔑する言葉とされる「Nigger」を避けるために1940年の米国版のタイトルは『And Then There Were None』となり、英国でも1980年代初めにこのタイトルに変更された。なおプリチャード氏は「クロンボ」という言葉は、文中の童謡のタイトルから取ったものと説明したが、問題の童謡「Ten Little Nigger Boys」はマザーグースの「テン・リトル・インディアンズ(Ten Little Indians)」のフランク・グリーンによる替え歌で、その後の改訂を経て、現在は「Ten Little Soldier Boys」に変更されている。
なお、フランス語版では事件が起きる「兵隊島」も「クロンボ島」であり、文中で74回も「クロンボ」という言葉が使われているために、改訂版では本文でも「クロンボ」を「兵隊」に置き換える必要がある。ただし現行のバージョンは回収せずに、そのまま販売するという。また、同作品に基づくテレビドラマが近く民放M6で放送されるが、こちらもタイトルは「最初は10人だった」になる。