政府、補足健保から特別拠出金を徴収へ

政府は、補足健保を対象に特別拠出金を徴収する方向で、調整を進めている。今秋の社会保障会計予算法案に盛り込まれる見通し。
補足健保は、公的健康保険がカバーしない分を対象に保障を提供する健康保険の2階建て部分。民間の保険会社や共済保険機関などが契約を提供している。新型コロナウイルス危機においては、通常の医療を見合わせる人が多く出たため、補足健保による負担分は大幅に減少しており、補足健保はその分を儲けた計算になる。政府の試算によれば、新型コロナウイルスに伴う支出抑制分は総額で26億ユーロに上る。政府はそのうち一部を特別拠出金として徴収し、危機に伴い巨額の赤字に見舞われた公的健康保険会計(2020年に310億ユーロの赤字が出る見通し)に対して応分の貢献をさせることを計画しているという。
ただ、その実現に向けてはいろいろと考慮すべき点も多い。補足健保に「儲け」が出たとしても、それは実際には見合わせ分に過ぎず、その反動で医療支出は今後に大きく増えることが考えられる。既に、歯科治療などは大幅な増加を見せており、また、医療見合わせにより重症化するケースが増えるとしたら、最終的な医療支出はかえって大きくなる可能性もある。それに加えて、団体加入の補足健保契約の場合、加入者である企業に対して、危機を踏まえて保険料の納付延期に応じたところも多く、延期分を最終的に回収できないリスクも生じている。こうしたことから、実際の拠出金額をどのように設定するかは微妙な問題になる。政府は、徴収を2段階(2020年末と2021年末)で行うことで、様々な要因を加味して最終的な拠出金額をより公平な額とするよう配慮する方針という。拠出金の徴収を求められた保険会社等が、それを保険料引き上げに転嫁しないようにすることも課題となる。