米スポーツ用品大手ナイキは30日、パリのシャンゼリゼ大通りに新鋭店舗をオープンする。デジタル技術を活用し、新たな顧客エクスペリエンスを提供する「ハウス・オブ・イノベーション」型の新店舗を開く。ナイキにとって、この種の店舗はニューヨークと上海に次いで3ヵ所目となり、欧州では初めて。
新店舗はシャンゼリゼ大通り79番地にオープン。この建物は、グルパマ(保険)からノルウェーの政府系ファンドが6億1300万ユーロで買収し、ナイキのために整備した。売り場は全4層で2400平方メートルに上る。顧客には来店前にアプリのダウンロードを推奨。アプリは、試着室の予約から製品の選択・注文まで、様々な用途に用いられる。店内には、足型をスキャンする装置「ナイキ・フィット」が設置されており、アプリを用いて一旦計測すれば、次回からはデータに基づいて最適なサイズの製品が自動的に提案される。製品を選んで試着室を予約すると、所定の時間に製品が試着室に用意されている。購入する製品も、受け取りコーナーに既に集められており、支払いもアプリ経由で可能。
ナイキはこの新型店舗をインターネット販売とも連動した手段と位置付けており、実店舗とインターネット販売の連携強化を探る試みの一環で、店舗のコンセプトを準備した。新型コロナウイルス後の消費のあり方を探る上でも、顧客の反応が注目される。