弁護士のジゼール・アリミさんが死去、女権擁護で活躍

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妊娠中絶の合法化など、女権擁護の活動を続けた弁護士のジゼール・アリミさんが7月28日に死去した。93才だった。
アリミさんは1927年、当時はフランスの保護領だったチュニスで、ユダヤ人の家庭に生まれた。1945年にパリに上り、法学などを勉強して1949年に弁護士となった。弁護士としては、女性の権利を擁護する案件を一貫して扱い、1972年には、強姦を経て妊娠した女性が中絶を行った件で、当時の妊娠中絶禁止の法令の下で無罪判決を勝ち取った。この事件は、1974年に妊娠中絶法(ベイユ法)が成立するきっかけとなり、アリミさん自身も、シモーヌ・ド・ボーボワールらと共に、中絶解禁を求める運動を積極的に展開した。続いて1978年には、同性愛者の女性2人が3人の男性に性的暴行を受けた事件で、「強姦罪」で裁判を行うことを認めさせることに成功。それまで強姦罪は殴打などの暴力が伴わなければ成立しなかったが、この判決で判例が修正された。1982年から1984年にかけては下院議員(社会党系)を務め、同性愛を刑法上の犯罪と定める条項の廃止などに尽力した。1998年にはグローバル化反対団体Attacの設立に加わった。