経済省は28日、航空機産業の支援を目的とする投資ファンド「Ace Aero Partenaires」が発足したと発表した。新型コロナウイルス危機の打撃が大きい航空機産業において、雇用や技術を守る目的で、困難に直面する企業に資金を供給する。
新ファンドは、政府と業界団体GIFASの協力により発足した。ファンドの運営は、入札により選定されたティケハウ(投資会社)が担当する。新ファンドには、国が2億ユーロを拠出、航空機部門の大手4社(エアバス、ダッソー・アビエーション、サフラン、タレス)が合計で2億ユーロを拠出し、ティケハウが2億3000万ユーロを拠出した。合計で6億3000万ユーロを原資として発足したが、さらに資金を募り、10億ユーロ超の規模にまで引き上げる計画。
ファンドの運用は、ティケハウ傘下のAce Managementが担当。同社は、航空機産業を専門としており、エアバス元幹部のマルワン・ラウド氏が率いている。航空機産業の成長株・重要企業を特定し、2023年までの業界低迷期をやり過ごすための力添えをするのが主要任務で、回復期における成長戦略をサポートするとともに、業界の健全化の動きにも貢献することを目指す。投資方法としては、多数派株主としての出資を含めて、あらゆる手段を利用する。