ベラン保健相は21日、「医療全体会議」の閉幕に当たり、医療システムの改善に向けた一連の措置を公表した。
「医療全体会議」は、新型コロナウイルス危機の教訓を踏まえて、医療システムに必要な改善を加える目的で招集された。焦点となった医療スタッフの賃上げについては、年間総額82億ユーロの増額を実施することで先頃合意が成立。21日には、投資増強を含む医療システムの改善措置についての発表がなされた。
政府はこの中で、総額190億ユーロの投資を約束。このうち、100億ユーロは、病院部門の累積債務の肩代わり分、30億ユーロは、債務の肩代わりにより節約される利払い等の費用となっており、残りの60億ユーロが、政府が実際に拠出する分となる。拠出は5年間にわたり段階的に行われる。内訳は、21億ユーロが高齢者施設(EHPAD)等の医療関連施設向け、25億ユーロが病院及び病院と開業医等の連携強化向け、14億ユーロが医療部門におけるデジタル化支援となっている。医療部門のガバナンス改革では、地方や現場の権限を強化し、中央管理型の硬直した体制を見直す方向性が示され、投資案件の審査を行う中央機関の改組(地方議員の参画、1億ユーロ超の大型案件などに審査対象を限定する)などの予告がなされた。
医療関係者らはこの発表をおおむね歓迎しているが、実際の運営において改革の精神が反映されるか注意深く見守る構えを示している。