7月16日付の仏レゼコー紙によると、仏バカラ(クリスタルガラス製品)の今後の経営に懸念が出ている。バカラは2018年に米投資会社スターウッドなどにより中国の投資会社FFCへ売却された。FFCは、香港の投資2社から買収代金(1億6400-1億8500万ユーロと推定)の半分を借り入れたが、昨年7-9月期に予定されていた債権者への1回目の返済が実施されなかった。またFFCはバカラの事業を発展させるために5000万ユーロの投資を行うと発表していたが、これも実施されておらず、バカラ従業員などから仏国内での生産継続に対する不安の声が上がっている。
バカラは2019年に売上高1億6400万ユーロ(前年比5%増)に対して960万ユーロの営業利益を上げたが、2020年1-3月期には新型コロナウイルス危機の影響を受け始め、19%の減収を記録した。こうした中、2013年に就任したバカラのリカルディCEOが今年3月末に退任した後、中国系の暫定CEOが就任した。バカラの債権者グループは経営体制の刷新へ向け、9月に延期された株主総会において現暫定CEOを含む取締役会メンバーの改選動議を提出する予定。