仏自動車大手PSAは夏季休暇明けにテレワークの試験的導入に着手する。AFP通信が7月9日に報じた。同社は5月初め、新型コロナウイルス対策のロックダウン期間中に普及したテレワークを通常の勤務体制で採用する方針を明らかにし、生産部門以外の従業員の場合に毎週平均で1-1.5日だけオフィスに出勤するという新体制「New Era of Agility」の導入を予告、今夏から世界事業全体で実施する意気込みを表明していた。しかし、フランスでは労組がこれに難色を示し、労使間の合意はまだ成立していない。
そのため経営陣は、テレワークの導入をより段階的に進める方針に切り替えた。PSAの人事責任者がAFPに説明したところによると、現在はまだ、衛生ルールを遵守しつつ必要に応じて職場復帰を漸進的に進めている段階であり、テレワークの試験導入は9月-10月に世界レベルで実施する。個別の状況に応じた調整を施しつつ、全体として生産部門以外の従業員の7割程度をテレワーク組とする予定。その次の段階では、試験導入に伴う反応を労組と共同で分析し、円滑な運用に向けてできるだけ柔軟なルールを制定する方針だという。