試験中止のバカロレア、合格率91.5%と記録的な高さに

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バカロレア(高校卒業資格)の第1次合格発表が7月7日に行われた。今年は、新型コロナウイルス禍を理由に試験が中止されるという異例の事態となり、内申点に基づいて合否が決定された。合格率は91.5%となり、前年の77.7%から大幅に上昇した。不合格が確定した人は全体の2.7%で、残る5.8%が8日から10日までに行われる追試口頭試問に挑戦する。追試組が全体に占める割合は前年比で8.5ポイント低下した。
バカロレアは高校卒業時に受験する国家試験で、合格者は大学への進学が認められるという建前になっている。通過儀礼として象徴的な意味を持つが、形骸化への批判や不要論は根強くある。試験を行わずに合格を決めた今年に合格率が極めて高くなったことは、バカロレアの価値がかつてないほど低まったことを示すものだとする見方もある。ブランケル教育相はこれについて、今年の合格率が、前年の最終合格率(追試後)と比べればさほど高くないことを指摘し、無価値な資格に堕したとの批判に反論。バカロレアは2021年試験から新制度に移行することが決まっているが、ブランケル教育相はそれに絡んで、今年は異例の状況であり、新制度の前触れとなるものではないと説明している。