警察の不正行為を捜査するIGPN(警察監察総局)は29日、パリ北郊セーヌ・サンドニ県を担当する警備警察部隊(CSI 93)を舞台にした大規模な不正捜査の一環で、警察官ら6人を逮捕した。麻薬所持、盗難、文書偽造と同行使、資金奪取、傷害などの容疑で取り調べを進めている。
CSI 93は、パリに隣接するセーヌ・サンドニ県を対象に、治安維持や容疑者逮捕などの任務にあたる警察部隊で、パリ警視庁の管轄下に置かれている。今回の捜査は、2019年6月にIGPNに対して2人の被害者が行った提訴を発端としたもので、この事件では、CSI 93所属の警察官らが、麻薬物質を発見したと称して被害者の若者2人を路上で摘発し、暴力を振るい、調書を捏造したなどの疑いがもたれている。麻薬物質は警察官らが持参し、被害者らのそばに置いた上で、発見したことにしていたという。IPGNは、1年ほどの時間をかけて、容疑者らの盗聴などを含めた大掛かりな捜査を行い、大規模な不正が行われていたことを突き止めた。逮捕された容疑者らは、麻薬ディーラーらを恐喝し、金品を奪うなどの不正行為を続けていたという。IPGNはこのほかにもCSI 93を対象にした捜査を続けており、近日中にさらに逮捕者が増える可能性もある。
CSI 93は150人の隊員を数える。パリ警視庁のラルマン総監は、不祥事を踏まえて部隊の抜本的な改革を進める方針を明らかにした。