パリの地下鉄の4Gによる全面カバーが完了

RATP(パリ交通公団)と仏通信事業者4社(オレンジ、SFR、ブイグ・テレコム、フリー)は6月29日、パリ地下鉄駅の4Gによる全面カバーが完了したと発表した。仏においては、パリよりも新しい地下鉄(レンヌとトゥルーズなど)では、既に4Gによる全面カバーが完了しているが、マルセイユではまだ終わっていない。なお、パリと共に世界で最も古い地下鉄であるロンドン地下鉄の全面カバーは早くとも2020年代半ばとされている。
RATPは、2013年にパリ地下鉄の320駅すべてを3年かけてカバーする計画を立てたが、2017年末のカバー率は約3分の1にとどまり、全面カバーは2019年末に先送りにされていた。カバーが遅れた理由としては、地下鉄駅という狭く、気温が高いスペースに機器を設置するのに技術的困難があったことに加え、運行を妨げないように夜に作業する必要があったことが挙げられる。
具体的には、通信事業者は、400キロメートルに達する通信ケーブルの敷設に加え、駅のプラットフォーム及び通路に約3000基の基地局を設置した。また、機器の冷却があまりに困難な一部の駅では、通常は基地局で行われるコンピュータによる演算を基地局外で行うため、駅の外に小型のデータセンターが設置された。
パリの地下鉄の4Gの通信速度は10-30Mbpsに留まっており、2019年の仏平均45Mbpsには及ばない。また、通行量が非常に多い一部の駅では通信容量を引き上げる必要がある。一方、駅間の距離が非常に大きいため全線カバーが完了していないRER(パリ高速地下鉄)A線について作業を進めることも課題だ。