統一市町村議会選の決選投票:環境派が躍進

統一市町村議会選の決選投票が6月28日に行われた。環境派政党EELVの躍進が目立った。棄権率は60%程度と高く、過去最高を記録した。
統一市町村選挙の第1回投票は去る3月に行われたが、決選投票は新型コロナウイルス禍に伴う外出制限措置の導入もあり、実施が延期され、ようやく投開票が実現した。有権者の中にはウイルスの懸念を口実に投票を見合わせた人が多かった。市町村議会選挙は元来は投票率が高いことで知られるが、2014年の前回選挙に比べると投票率は22ポイント近く低下。2019年の欧州議会選挙の50%程度と比べても、今回選挙の投票率(約40%)は極めて低く、3月の第1回投票と比べても5ポイント近く低下した。
投票率の低さは、国政与党のLREMをはじめとする主要政党の有権者がそっぽを向いたことに主に由来していると考えられる。市町村選挙は地域的なテーマに大きく左右され、また、マクロン大統領のLREMは前回選挙(2014年)の際にはまだ存在していなかったこともあり、選挙結果を比較し、趨勢をつかむのは容易ではないが、LREMは、ルアーブル市から出馬したフィリップ首相が圧勝したのを除くと振るわず、コロン氏(マクロン政権で内相を務めた)が長年にわたり率いてきたリヨン市では、共和党と結んだLREMの後任候補がEELVのドゥセ候補に敗北した。そのEELVは、改選前には、主要都市ではグルノーブル市で市政を握っていたのみだったが、今回の選挙では、気候変動への懸念の高まりなどを追い風に、リヨンのほか、ボルドー、ストラスブール、ブザンソン、トゥール、シャンベリー、アヌシー、ポワティエなどで勝利。うち多くは左派勢力の協力を得ての勝利となり、社会党を抑えて左派のリーダーの地位を狙えるポジションに駒を進めた。EELVはこのほか、リール市でも社会党の大物オブリ市長を脅かしたが惜敗。トゥールーズ市では現職のムーダン市長(共和党)に惜敗した。
社会党は、イダルゴ市長のパリで、環境派と結んで市政を防衛することに成功。ナント、レンヌ、ルーアン、クレルモンフェラン、ディジョンなどでも防衛に成功した。共和党も、好調だった前回選挙には及ばないものの、比較的に善戦したが、牙城だったボルドー市を環境派に奪われた。また、ペルピニャン市では、アリオ候補が率いる極右RNの候補リストに敗北。同市では、RNを阻止する目的で、全政党が共和党候補を支持したが、RNに及ばなかった。人口12万人超の都市でRNが市政を握ったのは、1995年のトゥーロン市以来でこれが初めてで、RNは面目を保ったが、より小規模な市で、決選投票までもつれ込んだところでは、RNはそれまで掌握していた足場のほとんどを失った。このほか、共和党のゴーダン市長が長年にわたり率いてきたマルセイユ市では、共和党の後任候補が、元EELVのリュビロラ候補に敗れた。