米自動車部品メーカーのBorgWarner Automotive(BWA)は6月25日、フランスにおける唯一の生産拠点であるエラン(Eyrein)工場を閉鎖すると予告した。コレーズ県にある同工場は1995年から操業しており、従業員数は368人。閉鎖は2022年3月末までに予定され、2021年1月から人員削減が開始する。
BWAでは工場の買収者を積極的に探して、雇用を維持できるように努めるとしているが、自動車産業の現状を考慮すると、同業者による買収の可能性は低いことも認めている。BWAはトランスミッション関連部品を専門とするメーカー。自動車メーカーが、付加価値の大きいトランスミッションコントロールモジュール(TCM)のような部品を内製化する傾向を強めていることや、2019年の中国自動車市場の後退、新型コロナウイルス危機などの逆風が重なり、工場の閉鎖を決めた。
エラン工場では付加価値がより低い部品も製造しているが、この分野では競争力が足りないため、ハンガリーに生産を移転する予定という。