オルリー空港、営業を部分的に再開

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パリの南郊にあるオルリー空港が6月26日から部分的に営業を再開する。同空港は新型コロナウイルス対策の一環として4月1日から13週間にわたり閉鎖されていたが、4つのターミナルのうち「ターミナル3」のみに限定して再開する。
26日は、朝6時にポルト(ポルトガル)に向けて出発するトランサビア便(オランダ)を皮切りに70便の発着が見込まれる。新型コロナウイルス危機の以前には毎日の発着回数が600-650、利用客数が8万-10万人に達していた。空港を運営するADPでは、発着回数は2週間後には2倍に増えるが、7月末までに通常の3分の1、8月末でも40%にまでしか回復しないと予測している。
ADPは当初はオルリー空港を秋まで閉鎖しておく予定だったが、航空会社から今夏のバカンス期に合わせた再開を求める圧力が強まり、前倒しでの再開に応じた。しかし当面の行き先は一部の欧州諸国、仏海外県などに限られる。7月1日からはニースやトゥールーズなどの仏国内都市向けのイージージェット便(英国)も再開するが、エールフランスの仏国内便は今後も当分はパリ北郊のロワシー・シャルルドゴール空港を利用し続ける見通し。オルリー空港に活気が戻るには、マグレブ諸国との往来の再開を待たなければならないとみられている。
空港の再開は、これを望んでいた航空会社にとってもリスクを孕んでいる。運航を再開することが利用客の呼び水になることが期待される一方で、搭乗率が回復しなければコストのみが嵩み、損失が拡大する懸念がある。