6月24日発表のINSEE統計によると、経営者景況感総合指数は6月に77.8ポイントとなり、前月から7.9ポイント上昇した。同指数は、新型コロナウイルス禍に伴う外出制限の導入を経て、4月には53.3ポイントと記録的に低い水準まで低下、5月も59.9ポイントと低めで推移していたが、6月には、外出制限解除の本格化に伴い大幅な回復を示した。2008年に発生した経済危機時には、その影響で2009年3月に同指数は70.0ポイントまで後退していたが、この時の底値よりも高い水準まで回復した。ただ、長期の平均である100を大幅に下回る水準にあることに変わりはなく、景気回復が軌道に乗ったと考えることはできない。
INSEEでは、5月まで事業水準がゼロという企業が多かったことを考えると、事業水準改善の見通しを経営者が持つのは当然であり、指数の改善を過大にとらえるべきではないと指摘している。
ING銀行のエコノミスト、マンソー氏は、2021年に仏経済成長率はプラス6.5%まで回復すると予想しているが、危機前の水準に復帰するには不十分と判断している。企業が設備投資の回復に慎重であり、失業増が消費回復に悪影響を及ぼす懸念もあるため、景気回復の勢いは緩慢だと説明している。国際通貨基金(IMF)は2020年のフランスの経済成長率をマイナス12.5%と予想。これは主要国の中でも特に低い部類に入る。