仏でも警察の暴力が論議を醸す:ある男性の逮捕時の死亡事件を受け

米での警察官による黒人男性殺害事件を受け、警察による暴力への批判が高まっている中、仏でもある男性の逮捕時の死亡事件が論議を醸している。事件が発生したのは1月3日のことだが、仏紙ルモンドと仏ニュースサイトのメディアパルトが、事件を撮影したビデオの鑑定結果を明らかにしたことで、俄然注目を浴びることになった。
死亡したのはセドリック・シュビアさん(42歳)で、セーヌ河畔で出前サービス従事中に、4人の警官との揉め事の末、窒息死した。シュビアさんと警官達の間の揉め事のきっかけは判然としないが、警官達は、シュビアさんがスクーターを運転しながら携帯電話を手に持って使用していたうえにナンバープレートも汚れていたなどと証言している。しかしながら、シュビアさんは、ハンズフリー・キットを装着していた。通行人やジュビアさん自身及び警官のうちの1人による録画・録音によると、警官達がシュビアさんに罰金を科そうとしたところ、シュビアさんが口答えし、警官達がそれに反応するうちに口論の応酬が激しくなった末、警官達がジュビアさんを逮捕しようとして地面に押し付けた上で、絞め技をかけた。その際、ジュビアさんは最後に7回に渡って「息ができない」と繰り返した。その後、ジュビアさんは、病院に運ばれたが、「喉頭骨折による窒息」が原因で2日後に亡くなった。
これら4人の警官達は6月17日に拘置され、「過失致死」の疑いで今後数週間のうちに予審開始を通告される可能性があるが(予審は担当の予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き)、停職処分には処されておらず、シュビアさんの家族は、警官達に対する停職処分と、警察による絞め技の禁止を求めている。これに対し、警察官側の弁護士は、シュビアさんの「息ができない」という言葉は、ヘルメットを着用した状態で発声されたものであり、周囲の雑音やシュビアさん逮捕時の物音によりかき消され、警官達の耳には達しなかったと主張している。