2020年6月23日 編集後記

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BLM運動がこれほどの広がりを見せるとは、筆者は正直予想していなかった。米国の黒人差別はある意味で 同国の歴史と体制に固有のローカルな問題であり、これを一般的な人種差別の問題と考えることには疑問がある。とはいえ、これが白人や黄色人種まで含む多くの人々による差別反対の大波を巻き起こしたことには 感動的な面がある。こんなことを言うと顰蹙を買うだろうが、あの不運な事件が起きずにジョージ・フロイド氏が生きながらえたとしても、人類史に名前を残すような偉業を達成した可能性はかなり薄いが、不幸にして46歳で亡くなったことで同氏は大きな貢献を人類にもたらしたといえるだろう。
フランスではBLM運動に便乗してアダマ・トラオレ氏が警察に不当に殺害されたとする抗議行動が起きている。こちらもなかなかの勢いだが、同氏とその家族は違法行為の常習犯であり、(同じく前科があったとはいえ、米国の特殊な差別問題の犠牲になったと思われる)ジョージ・フロイド氏と同列に置いていいかどうかは疑問だ。筆者としてはアダマ・トラオレ氏のいない世界がアダマ・トラオレ氏のいた世界と比べて悪くなったのか良くなったのか、簡単に判断を下せない気がしている。