ジェバリ運輸閣外相は22日、民放ラジオ局RTLとのインタビューの機会に、鉄道と競合する短距離の旅客機路線の運航を禁止する方針を明らかにした。エールフランスが撤退する路線に競合の格安航空会社が進出するのを避けるための措置であり、欧州連合(EU)の環境関連法令に即した形で省令を近く公示すると説明した。
具体的には、鉄道にて2時間30分以内で移動可能な都市間の航空路線の運航が禁止される。政府は、エールフランスに公的援助を与える見返りとして、気候変動対策の推進もにらみつつ、国内線事業を整理するよう求めており、これで廃止される路線の復活を妨げるのが狙いとなる。
ただし、ルフィガロ紙の報道によれば、この禁止措置による実際上の影響はほとんどない。高速鉄道が整備されている場合、旅客機の競争力は著しく後退するため、競合のイージージェットやライアンエアーはそもそも、短距離の路線は運航しておらず、その予定もない。主要路線のパリ・トゥールーズ(鉄道だと4時間超)やパリ・ニース(同6時間超)はいずれも禁止対象外である。格安航空が多く乗り入れるボーベー空港は、パリからの距離と所要時間が大きく、その点でも禁止対象から外れやすくなる。ルフィガロ紙は、短距離便の禁止措置は、環境派に対して政府の努力をアピールする材料なのではないかと報じている。