フィヨン前首相事件:担当検事が上司からの「圧力」に言及、物議に

フィヨン前首相の案件を担当したPNF(金融犯罪全国管区検事局)のウレット元検事が、去る10日に下院調査委員会において、この案件について上司から圧力を受けたと証言していたことが報じられ、物議を醸している。ウレット元検事は、「司法の独立性」に関する下院調査委の聴聞を受けた機会に、フィヨン前首相の案件について、自らの上司だったパリ高検のシャンプルノー検事長から、正式捜査の開始にあたり圧力を受けたと証言。頻繁に進捗状況の詳細な報告を求められたと証言した上で、それがどのように用いられたのだろうか、などと疑念を呈していた。
フィヨン前首相を巡っては、夫人の架空雇用等の容疑が浮上し、出馬していた大統領選挙の直前に当たる2017年3月の時点で予審捜査(起訴の是非を決めるために担当予審判事が行う裁判上の手続き)の開始通告を受けた。前首相は立候補を貫いたが、第1回投票で敗退し、その後政界から退いた。この事件の第1審裁判は既に結審しており、判決が29日に下される予定となっている。前首相の弁護団は、今回の元検事の証言について、前首相が不当に厳しい扱いを受けたことを示唆するものであり、当初からの主張が改めて裏付けられたなどと話している。
ウレット元検事は、捜査情報漏洩の疑いで去る9月以来、捜査の対象となっており、それを決めたのがシャンプルノー検事長だったという因縁がある。このため、今回の発言は意趣返しではないかとする見方もある。ウレット元検事自身は、調査委における証言について、政治的な背景について示唆したものではないと述べて、報告提出の上での上司からの圧力について述べたものだと言明しており、シャンプルノー検事長は、通常の手続きの中でなされたことが圧力と解されたのなら遺憾だ、とコメントした。大統領府は19日の時点で、司法高等評議会に対して、「PNFが圧力を受けずに職務を行える状況にあったかどうか、分析作業を行うよう依頼した」ことを明らかにした。