年金会計、2020年に赤字大幅増の見込み

労使代表により構成される諮問機関COR(年金方針評議会)はこのほど、2020年の年金会計の収支予測を公表した。新型コロナウイルス禍の影響で、同年の赤字額は294億ユーロへ大幅に増加すると予想した。去る11月時点で発表した従来予測に比べて252億ユーロの増加を記録する。赤字額の対GDP比は、従来予測では0.2%だったが、これが1.5%へ大幅に膨張する。2020年にはGDPが11%減を記録する見通しであり、これも対GDP比での赤字膨張の一因となる。
具体的には、年金会計の支出は2020年に、従来予測より5億ユーロ減少し、3400億ユーロへ後退する。これは、新型コロナウイルス感染症により、年金受給者の死亡率が上昇したことに由来する。年金受給者の数は0.15%減少する。ただし、この数字には、寡婦年金の受給者増加の効果は反映されていない。その一方で、年金会計の保険料収入は、従来予測より257億ユーロの大幅減を記録し、3100億ユーロにまで後退する。これは、失業増加等に伴い、年金保険料の徴収のベースとなる現金給与総額が8.5%の大幅減を記録することに由来する。民間部門に限ると、後退幅は9.7%とさらに大きくなる。年金特殊制度の適用者と公務員部門においては逆に0.4%増を記録する。なお、この試算には、追加で決まった社会保険料の棒引き措置等の影響は含まれておらず、さらに収支は悪化する恐れがある。他方、年金受給者の生活水準は、勤労者等の所得の全般的な低下(前年比5.3%の見込み)に連動する形で、相対的に上昇することになる。