欧州委員会は6月11日、シェンゲン協定に加盟する26ヵ国に対して、6月15日付で域内国境における制限をすべて解除するよう要請した。加盟各国のすべてで、一定の距離を確保する等の感染予防措置が講じられていることを理由に、国境における制限の継続は適切ではないとの見解を示した。独仏をはじめとする多くの国はすでにその旨の決定を下しているが、スペインやポルトガルなど一部の諸国は6月末まで制限を継続する方針を示している。欧州委は、いずれの場合でも6月末以降に制限を継続しないよう求めた。
欧州委はまた、シェンゲン空間内部の国境検査廃止を経て、域外との国境の段階的かつ部分的な再開を、7月1日から着手する方針を示した。一部の諸国からの渡航の受け入れを再開し、夏季シーズンにおける観光業の回復を支援する狙いがある。対象国については、欧州委員会は、バルカン半島諸国(アルバニア、ボスニアヘルツェゴビナ、コソボ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビア)における感染状況が欧州連合(EU)域内と同等、またはそれ以下であることを理由に、渡航を最初に認めることを提案。学生については、出身国の制限を設けずに受け入れることも勧告した。