医療非常事態宣言、7月10日を以て終了へ

政府は6月10日に開く閣議で、新型コロナウイルス対策に関する法案を審議する。「医療非常事態宣言」の終了を盛り込む内容となる。
「医療非常事態宣言」は、外出制限導入後の3月24日の時点で発令された。2ヵ月間の予定で発令され、1回の延長を経て7月10日で終了することになっている。法案はこの再延長はせず、宣言解除後に必要な対策を講じる可能性について、法令上の根拠を整備することを目的に策定された。医療非常事態宣言下では、政府は衛生上の理由により集会の禁止を決める権限を行使できるが、宣言解除後はこれが認められなくなる。また、外出制限の再開を決める自由度も失われる。ただし、政府は今後の制限の解除には慎重な姿勢を崩しておらず、法案には、感染状況が悪化した場合に、地域的に交通手段の制限や公衆を受け入れる施設の閉鎖等を決めるための法令上の枠組みの整備が盛り込まれている。
政府に助言を与える専門家委員会のデルフレシ座長が7日の時点で、平常への復帰に肯定的な見解を示したこともあり、経済界などからは制限の全面的な解除を早期に決めるよう求める声が上がっている。現在、業種ごとに衛生基準が定められ、一連の制約が課されているが、経済界は、これが障害となり、事業の平常化が遅れていると主張。その早期の撤廃を求めている。経営者団体MEDEFのルードベジュー会長は、10日付のレゼコー紙のインタビューの中で、企業の活動の本格的な再開を可能にするため、政府に対して強い態度表明を行うよう呼びかけるとともに、生産に係る諸税の減税を2021年から実施するなどして企業を支援するよう求めた。
これと並行して、学校の運営を早期に平常化するよう求める声も上がっている。今のところ、登校を再開したのは全国で26%の生徒に過ぎず、一部の父兄からは、登校を再開したいのに学校が受け入れに応じないとする不満の声が上がっている。一部の閣僚からは、教員が職場復帰を拒否しているのが原因だとする批判の声が匿名で上がっており、物議を醸している。3分の1の教員が職場復帰をしていないとする高官の匿名の発言も報じられているが、教育の現場からは、衛生基準が厳しすぎて受け入れ数を拡大できないのが真相だと反論する声も上がっている。