仏政府、航空機産業向けの支援プランを公表

仏政府は9日、航空機産業向けの支援プランを公表した。環境配慮を主眼に据えて技術革新を後押しし、新型コロナウイルス禍で危機に直面する航空機産業の雇用維持を支援する。
政府はこのプランの規模が150億ユーロに上ると説明している。この中には、これまでに発表済みのものも含まれる。うち最大なのが、エールフランスKLMに対する70億ユーロの支援(直接融資が30億ユーロ、融資への公的保証が40億ユーロ)で、政府はこの措置の効果で、エールフランスKLMによる航空機調達が維持され、産業界の支援につながると説明している。政府はこのほか、軍および公共部門による航空機の発注の加速(8億3200万ユーロ)を約束。航空機産業の工事量を確保する形で、当座の雇用確保に協力すると説明した。さらに、航空会社に12ヵ月の銀行融資据置期間を設定することを約束(15億ユーロの資金繰り支援に相当)。欧州委員会に対して、航空機の購入のための新規融資に据置期間を長めに設定することを認めるよう働きかけるとも説明した。航空機製造部門による一時帰休の利用については、現在進行中の労使協議を通じて最適な制度を整えるとした。
政府はまた、航空機産業の中小・中堅企業に出資するファンドの設立を予告。危機を好機とみた外国企業による敵対的な買収からこれら企業を防衛し、発展に必要な資金を供給することが目的で、手始めに、国が2億ユーロ、同部門の4大大手(エアバス、サフラン、タレス、ダッソー)が合計で2億ユーロ、某投資ファンドが1億ユーロを拠出し、5億ユーロの規模で今夏にも活動を開始する。年末には10億ユーロの規模の確保を目指す。政府はまた、3年間で3億ユーロを拠出し、業界のサプライヤー及び下請け企業のデジタル化などレベルアップを支援。さらに、研究開発の支援を目的に、3年間で15億ユーロ弱を段階的に拠出。ここでは特に、水素駆動によるカーボン・ニュートラルな新鋭機を、従来目標の2050年ではなく、2035年に実現することを目標に設定。これはエアバスA320の後継機として期待されている。これに絡んで、エールフランスは、新鋭機をエアバスから調達し、航空機隊のグリーン化を進めることを約束した。
フランスの航空機産業は1300社からなり、直接・間接に30万人を雇用、うち3万5000人がエンジニアとなっている。2018年の業界売上高は580億ユーロに上る。