ローマでラファエロ展が開幕

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ローマのスクデリエ・デル・クイリナーレを会場として、大規模なラファエロ展が2日に始まった。8月30日まで開催される。
今年はラファエロ(1483-1520)の没後500周年に当たり、今回の大規模な特別展が企画された。当初は、3月5日から3ヵ月間に渡り開催され、6月2日の建国記念日に閉幕する予定だったが、新型コロナウイルス禍に伴う厳しい外出制限により、開催が延期されていた。本来の閉幕日に開始されたことになる。
特別展は内外から240点の作品を集めた。うち120点がラファエロの自らの作品となっている。その中には、フィレンツェのウフィッツィ美術館や英国王室が所蔵するデッサンも含まれる。デッサンは傷みやすいため、通常は完全に光を遮断して保存されており、3年間に3ヵ月間のみ一般公開されるという貴重なものだが、開催延期に伴い、急遽、会場内で光を完全遮断して保存された。展示は、ラファエロ死亡にまつわる関連作品から始めて、最晩年の作品から最初期の作品へと遡ってゆくという趣向でなされている。
新型コロナウイルス対策で、5分ごとに6人を入場させるという徹底した入場制限を実施。後戻りを不可として順路を設定し、1室に留まれる時間の制限を設けるという厳しい条件での見学となるが、それだけに人の少ない環境で鑑賞できるという利点がある。ただ、当然に予約客のみの受け入れとなり、平時の1日3500-4000人に対して、900人以下の受け入れと入場者は厳しく制限される。予約を入れるのは至難の業とみられる。