医学専門サイトMedRxiv上で6月4日に、子供による新型コロナウイルスの感染に関する疫学調査の結果が公表された。子供による感染は当初恐れられていたほどの規模ではないことを示唆する結果が得られた。
この調査は、パリ首都圏の15才未満の子供605人を対象に、4月14日から5月12日にかけて行われた。対象者のうち、322人(53.2%)は調査の時点で症状を示しておらず、283人(46.8%)は軽微な症状を示していた。症状を示していない子供のうち、118人は、調査の時点より前に症状を示していた。
PCR検査で陽性を示したのは11人(1.8%)で、抗体検査で陽性を示したのは65人(10.7%)だった。抗体検査で陽性を示した子供のうち、87.3%は、感染経路または可能な感染経路が特定されており、ほとんどの場合、家族の大人からの感染だった。
調査結果をまとめた研究チームは、そもそも子供の感染は多くなく、子供が感染させる経路になるという可能性も小さいと指摘している。ただ、調査は学校が閉鎖されていた時期になされており、学校閉鎖の成果である可能性も否定できない。また、調査対象の子供は無作為抽出によるものではなく、バイアスがかかっている可能性もある。