政労使の全体会議が招集に:「賃金引下げで雇用維持」の是非も議論に

マクロン大統領は4日、大統領府に労使代表を招いて全体会議を開く。これまではテレビ会議が行われてきたが、大統領が実際に労使代表を招いて会合を開くのは、新型コロナウイルス危機以来でこれが初めて。コロナ後の対応を協議する機会になる。報道によれば、大統領はこの機会に、失業保険の制度改革の適用を延期(2022年まで)することを約束するとみられる。見習い研修制度(デュアルシステム)の利用促進策も焦点となる。
労使関係では、APCと呼ばれる企業単位の労使合意の利用の是非がこのところ話題をにぎわせている。APCは、2017年の法改正で整備された制度で、比較的に容易な手続きにより、労働時間や報酬、就労形態などを企業単位で改正することができる。政府はこの制度を、人員削減計画の利用を回避するための手段として導入したが、最近には、格安航空会社のライアンエアー(アイルランド籍)が、賃金引き下げを盛り込んだAPCに調印しないなら、27人の人員削減計画に着手すると労組に通告し、広く労組側の反発を招くという事件が発生。ペニコー労相は2日の時点で、ライアンエアーの件に触れて、制度の精神に反すると批判している。ただ、新型コロナウイルス禍で特に大きな打撃を受けた航空機製造部門の下請け企業などを中心に、この種の賃金引き下げの動きが広がる可能性があり、今後の労使関係の火種になる恐れもある。