フィリップ仏首相は5月22日、統一市町村選の決選投票を6月28日に実施すると発表した。3月22日に予定されていた決選投票は、新型コロナ危機により延期になっていた。決選投票は、第1回投票で得票率が50%を超えた候補者がいなかった4922の自治体で行われ、対象となる有権者数は約1650万人。ただし、首相は、今回の決定は最終的なものではなく、決選投票に先立って諮問機関の科学評議会が国の衛生状況の再検討を行うと付け加えた。首相によると、新型コロナウイルスの感染拡大がぶり返した場合に備えて、統一市町村選そのものをやり直す可能性を与える法案が5月27日に提出される。
首相の決定は予期されたものだが、批判や怒りを招くのは必至と見られる。しかしながら、首相は、「問題は複雑で不協和音をもたらすだろうが、政府にとっては、決定における整合性を確保することが重要だ」と述べ、決定を巡る責任は取るとの立場を打ち出した。
決選投票の日程に関して科学評議会は5月19日、厳しい衛生条件の遵守など一連の措置を勧告しつつ、決選投票の6月中の実施は可能だとの判断を示したが、明確な指針は示さず、政府に決定を一任する姿勢を見せていた。
首相は、科学評議会の勧告に従うとしつつ、公正な選挙戦を確保するため、委任投票などに関する法的枠組の緩和の可能性を示唆した。ただし、郵送投票の可能性の拡大に関しては、不正の温床となりうるとして否定的な見方を示した。