フランスの名優ミシェル・ピコリ氏が死去

ミシェル・ピコリ氏が5月12日に亡くなった。94歳だった。長い経歴の間に200本以上の映画に出演し、数々の名監督の傑作で重要な役割を演じて、フランスで知らぬ者もない名優であり、1970年代には謎めいた微笑を絶やさぬセクシーシンボルともみなされた。しかし、ブリジット・バルドーと共演した「軽蔑」(ゴダール監督)でブレークしたのはようやく1963年になってからで、遅咲きのスターでもあった。当時すでに38歳で、演劇の舞台で20年の実績があり、30本ほどの映画にも出演したベテランだった。
パリ13区生まれのピコリ氏の両親はともにミュージシャンで、父親はイタリア人、母親はフランス人だった。ピコリ氏は、自分が生まれることになったのは両親の最初の子どもだった兄が早逝したためだと感じ、「私は偶然によって存在している。(最初の子どもの喪失を)埋め合わせるために生まれたのであり、それ自体は悲劇だ」「私は悲劇的偶然によって生まれた」と繰り返し語っていた。