2020年5月19日 編集後記

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5月11日にネーチャー誌に掲載された研究によると、ブルガリアのバチョキロ洞窟の発掘で、4万5000年前に はすでに現生人類が欧州に到来していたことが判明した。現生人類は30万年ほど前にアフリカで誕生し、南 東アジアやオーストラリアには6万年ほど前に移住していたが、欧州に移住した時期は比較的遅く、従来の 定説では4万年前とされていた。ただしミトコンドリアDNAの分析によると、バチョキロで発見された現生人 類は現代の欧州人の先祖とは考えにくいそうで、子孫を残さずに滅んだとみられ、4万年前に欧州に来た現 生人類とは別の系統だという。欧州にはすでにネアンデルタール人が住んでおり、絶滅するまで現生人類と 共存していた時期があるわけだが、現生人類の到来時期が5000年ほど遡ったことで、共存期間も伸びたわけ で、双方の間にどのような交わりや相互的影響があったのかが、いっそう面白いテーマになってきた。