ヘイトスピーチ対策法案、最終的に可決

仏下院は5月13日、ヘイトスピーチ対策法案を最終的に可決した。野党のうち、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」と保守野党の共和党は反対票を投じ、社会党は棄権した。
新法により、フェイスブックやYouTubeなどのインターネット・プラットフォームだけでなく、検索エンジンやブログ、フォーラムなどは、「明らかに違法」なあらゆるヘイトスピーチを、24時間以内に削除する義務を負った。違反者には、世界売上高の最大4%に達する罰金が科される。テロ礼賛や小児愛コンテンツについては、24時間以内ではなく、1時間以内に削除することが義務付けられた。義務の対象となる企業は、単一の通報ボタンを実装しなければならない。新規制の導入に伴い、CSA(放送行政監督機関)には新たな権限が付与される。また、デジタル関連を専門とする検事局が設置される。ヘイトスピーチを流布するサイトをブロックすることも可能となる。
同法案には、罰金を恐れてインターネット・プラットフォームが過剰な自主規制にはしり、合法コンテンツまで検閲の対象とされる危険があるとして、一部のNGOが反対した。それとは別に、新たな義務が課されることになるインターネット大手からも、強い反対があった。また、インターネット・プラットフォームがテロ礼賛コンテンツを、裁判所を経由せず、警察からの通報から1時間以内に削除しなければならなくなる点を挙げて、行き過ぎた規制であるとする批判もあった。このような批判を背景に、野党が過半数を占める上院では、違法コンテンツの24時間内の削除という条項が2度に渡って削除され、下院が3回目の採決でようやく可決するという難産となった。野党側は、憲法評議会に違憲審査を請求することを決定。評議会の判断が下るのは6月になる見通し。
新たな義務の対象となるインターネット・プラットフォームは、ユーザー数などに基づいて指定される。その詳細な規定は施行令により定められる。米ネット大手のような高度なツールを持たない仏サイトに配慮した規定になる見通し。