旅客機内では社会的距離の維持を求めず:鉄道・バスは不当な差別と不満

仏政府は11日に公示した政令の中で、旅客機内では社会的距離の維持を義務付けないことを決めた。定員を減らした運行を義務付けられている鉄道・バス会社からは不公平だとする不満の声が上がっている。
旅客機では、電車・バスと同様、旅客のマスク着用が義務付けられたが、座席の利用を1つおきにするといった定員削減の措置は見送られた。ジェバリ運輸閣外相は10日時点で、その理由として、旅客機では機内の空気浄化システムの性能がより高いことを挙げ、さらに、75%の座席利用率が損益均衡に必要だという経済的な理由も挙げた。
仏国鉄SNCFはこの規制についてコメントしていないが、社内の関係者らはこれに強い不満を表明している。社内筋によれば、高速鉄道(TGV)の損益均衡点は座席利用率70%であり、Ouigo(格安高速鉄道サービス)では80%にも上るため、経済的理由を挙げるなら、高速鉄道も旅客機と比べて大きな差はない。関係者らはまた、TGV車両の空気浄化システムについても、3分ごとにフィルター透過を行い、9分ごとに完全な入換を行っており、サージカルマスク着用と同等の性能を達成しているとして、旅客機との差別化の根拠はないと主張している。
11日に公示された政令は、地域圏を超えて運行される鉄道・バスにおける座席利用率の上限を60%に設定している。政府は、旅客機については、▽検温により、38度を超える旅客の搭乗を認めない、▽症状を呈していない旨の申告書の提出を旅客に求める、などの追加の措置を導入すると説明し、衛生安全対策に万全を尽くすと強調している。ただ、追加措置の効果には疑念もあり、気休めに過ぎないとする批判の声もある。