2020年5月12日 編集後記

投稿日: カテゴリー: 編集後記

フランスでは5月11日に外出制限が解除され、TVで2ヶ月ぶりに営業を再開できた理容店の店主が顧客との再 開を喜ぶ様子が報じられていた。顧客らも外出自粛期間中に伸び切った髪を切ってもらい、さっぱりしたと 喜んでいた。筆者は過去30年以上も床屋・理容店・美容院などに足を踏み入れたことがないむさ苦しい自宅 引きこもり老人なので個人的には理容師・美容師とは無縁だが、それでもやはり喜ばしい光景だった。
理容店では理容師も顧客もマスクを着用しており、これもフランス社会では新たな光景だが、マスクで顔の 下半分が隠れた状態で、握手もハグもできないままだと人と会う際に挨拶のしかたがぎごちないものになる のは避けがたい。今朝授業を再開した小学校を教育大臣が訪問する様子が報じられていたが、大臣・政府関 係者と教員たちが、各人マスクを着用したまま、なんと形容していいか迷うような曖昧なジェスチャーで挨 拶をかわしているのはいささか滑稽な光景でもあった。大臣相手にあまり馴れ馴れしい動作もできないなか で、決まった様式がないことに各人が戸惑いつつ、独自のスタイルを模索している風だった。握手のかわり に肘で挨拶、というのは友人同士や同僚同士ならいいが、少し堅苦しい場ではやりづらい。片手をあげて 「やあ」というわけにもいかない。大臣自身も握手ができず、フラストレーションがありそうだった。こう なったらいっそのこと日本式のお辞儀とか東南アジア式の合掌(以前にマクロン大統領がどこかの施設を訪 問した際にやっていた)を正式な挨拶の動作として採用してしまえばすっきりするのではないか、とも思う が、どうだろう。濃厚接触の回避には確実に有効だろう。