台湾問題を巡りフランスと中国が火花

ルモンド紙は5月12日付で、台湾問題を巡り中国政府がフランスに対して不快感を表明したと報じた。仏外務省が去る4月14日に、中国の盧沙野駐仏大使を召喚(テレビ会議)した際に、大使側が、フランス製兵器の台湾への輸出について抗議したという。駐仏中国大使館と仏外務省はいずれも、この件についてルモンド紙の取材を拒否した。
大使の召還は、大使館の公式サイト上に公表された文章について、仏政府がその内容に抗議する目的でなされた。この文章には、新型コロナウイルスへのフランスの対応を批判する内容が含まれていた。この際に、大使側は、台湾への兵器輸出問題を持ち出して反撃したのだという。
中国側が持ち出した案件は台湾海軍が先頃決めた契約。台湾海軍は、1991年に契約を結んだフランス製のフリゲート艦の対空防衛システムの刷新を決めていた。具体的には、対空防衛システム「DAGAIE MK2」のためのフレア(敵方のセンサをかく乱するために発射する装備)を、仏DCI-DESCO社から約2500万ユーロで調達することを決定していた。DCI-DESCOの親会社であるDCIは、仏軍隊省傘下の輸出機関として機能している。
台湾問題は、発端となった召喚の理由となった文章においても取りざたされていた。この文書は、台湾の世界保健機関(WHO)加盟を支持する仏国会議員らの共同の呼びかけにも批判の矛先を向けていた。台湾問題は言うまでもなく中国にとって神経質な案件であり、仏海軍の艦船が台湾海峡を2019年4月に通過した際にも、中国側が猛然と抗議したといういきさつがある。