5月11日に予定される外出制限の解除では、これまで営業が禁止されてきた食料品小売店以外の商店の営業が認められる。外食業の開店は、テイクアウトを除いて引き続き認められない。サービス業は様々で、理髪店・美容院は営業再開が認められるが、スポーツクラブは営業が認められるかどうか微妙となっている。
理髪店・美容院は、明確な指針に欠ける中で再開の準備を進めている。顧客間の十分な距離を確保する目的で、店内の配置を工夫し、一度に受け入れる顧客の数を減らすなどの措置が必要になった。上掛けなどはすべて使い捨てとし、一人の顧客を終えたら、次の顧客を迎える前に洗浄と消毒を徹底し、理髪師・美容師はマスクを着用する。店により、顧客にもマスクの着用を求めるところもあるという。理髪店・美容院は、外出制限が8週間続いたこともあって、顧客からの需要は大きい。ただ、安全措置の導入により、顧客の回転ははるかに遅くなり、これは店舗の利益率にも大きく影響する。開店時間を長くしたり、土日の営業を認めるよう当局に働きかける動きもある。
スポーツクラブは微妙で、マラシネアヌ・スポーツ相は2日、屋外で10人までなら、接触型のスポーツを除いて活動を認めると言明したが、スポーツクラブのような施設については、追って明らかにすると述べただけで、明言を避けている。今のところ、外出制限解除の第1段階が終了する6月2日より前の再開の展望は得られていない。多くのクラブは、インターネット経由で遠隔レッスンを提供するなど、顧客との関係をつなぐことに力を注いでいるが、会員料の返金や、期限の延長に応じることを迫られており、資金面の圧迫は大きい。1-6月期に業界は4億ユーロ強の収入を逸失したとの推計もある。業界は、不動産のテナント料を巡り、大手不動産業者との間で対立関係にあり、営業禁止期間中はテナント料を棒引きにするよう求めて、経済省の仲介を得て交渉を続けている。再開に向けては、通常の商店などよりもはるかに厳しい衛生・安全対策が課されることになるのは必至で、中小の施設は対応が困難になる恐れもある。