外出制限で不協和音、学校再開など規則徹底が困難と現場から悲鳴

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外出制限の解除が予定される5月11日が近づくにつれて、政府と関係各方面の間の不協和音が目立っている。解除の方式を巡る見解の不一致が背景にある。
学校は小学校以下から段階的に再開される方針が決まっており、4月30日には具体的な方式を規定する基準書が公表された。ただ、その内容の履行が難しいことを見てとった市町村(小学校の運営予算は市町村が負担する)は、政府が示した方針への反発を強めている。5月3日付で、パリ首都圏(イルドフランス地域圏)の市長のうち、パリ市のイダルゴ市長を含む332人(パリ首都圏の市町村は全部で1268ヵ所)が連名で公開書簡を発表。5月11日(授業開始は12日)に予定されている学校再開を延期するよう、政府に対して要請した。市長らは、再開の日程は非現実的であり、実行不能だと主張。こまめな消毒や、生徒の間の距離の維持、休み時間や給食等の細かな規定といった一連の規則をすべて遵守するのは技術的にも困難で、また費用がかかるという問題があり、市町村と国の間の役割分担も明確になっていない。他方、両親の側も、登校させるのは任意という原則の下で、対応を探りかねているという事情も加わる。
このほか、公共交通機関の運営企業も連名で、車内の社会的距離の維持を徹底するのは困難であり、混乱や緊張が高まるのは必至だと主張。政府に対して、マスク着用の義務付けもあり、社会的距離の維持については義務から外してほしいと要請した。