パリ郊外セーヌ・サンドニ県内のアビセンヌ病院(ボビニー市)とジャンベルディエ病院(ボンディ市)で緊急外来の責任者を務めるイブ・コーエン氏は5月3日、12月27日の時点で採取した検体から、新型コロナウイルスが検出されたと発表した。国内の最初の感染確認は1月24日になされたが、それよりも1ヵ月近く前から感染が始まっていたことになる。
コーエン氏らによる調査は、両病院に入院した肺炎患者を対象に別の目的で12月から1月にかけて行われた検査において、保存されていた検体を再検査する形で行われた。そのうちの1人の検体からのみ、新型コロナウイルスが検出された。検査は2度行い、間違いがないことを確認したという。
陽性となった患者は50代の男性で、現在は治癒している。家族のうち2人の子どもは新型コロナウイルス感染症とみられる症状を示したが、夫人には症状は見られなかった。男性には渡航歴はなく、就労もしていない。コーエン氏は夫人が無症状感染者である可能性を指摘。夫人が勤務先のスーパーマーケットで感染した可能性もあるという。