新型コロナ感染症へのニコチンの有効性を確かめる臨床試験開始へ

仏国内で、新型コロナウイルス患者へのニコチンの有効性を確かめるための臨床試験が開始される。医療従事者、新型コロナの重篤患者及び入院患者の3つのグループに、通常は禁煙の補助手段として使われるニコチンパッチを利用して臨床試験を行う。ニコチンの予防効果、治療効果、重篤化の回避効果があるかどうかを見極める。プラセボ効果を確認するために、ニコチンが入っていないパッチも用意するなど、様々な準備に時間がかかることもあり、臨床試験は早くとも2-3週間後に開始する。
新型コロナウイルスに対するニコチンの効果に関しては、パリ公立病院連合(AP-HP)などによる研究が4月21日に発表されたばかりで、それによると、仏国内で新型コロナウイルス感染症に伴って入院した患者1万1000人を調査した結果、喫煙者が占めた割合は8.5%にすぎなかった。これは、仏人の25.4%が喫煙者であるのと比較して非常に低い数字となっている。また、パリのピティエ・サルペトリエール病院における研究においても、新型コロナウイルスの入院患者350人、軽症の患者130人のうち、喫煙者が占める割合は5%にすぎないことが判明した。ニコチンが一部の神経伝達物質の受容体に作用し、新型コロナウイルスが細胞に侵入することを防いでいる、またはニコチンが過剰な自己免疫反応を防いでいる、といった可能性が考えられるという。
一方で、ニコチンが新型コロナに有効であるとの仮定に飛びついて、喫煙を開始したり、ニコチンパッチなどの喫煙代替品を利用する人が出てくることへの懸念も強い。