2020年4月21日 編集後記

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各国の新型コロナウイルス対策に関する世論調査をみると、しばしば「封鎖の継続か、経済活動の再開か」という形で 回答者に選択を求めており、多くの場合に「経済が悪化しても封鎖を続けるべき」という意見が多数派を占めている。 「金よりも命が大事」と多くの人が考えるのは当然だ。しかし、フランスのTVの討論番組で、ある医師は「健康と経済」 を天秤にかけることは間違いだと指摘していた。経済危機により失業や貧困が増大すると精神病を含む疾病が急増する ことは従来からよく知られている現象であり、コロナ対策のみに注意を奪われて経済への配慮を忘れれば、公衆衛生の 見地からは好ましくない結果を招きかねないという。意思決定者としては、「あれかこれか」の選択ではなく、「あれ もこれも」同時に進めるための工夫を強いられる。コロナに限らず、パンデミック対策がややこしいは、単に保健の見 地からでも、こういうジレンマを突きつけるからでもある。各国が健康だけでなく経済へのケアにも十分留意すること を期待したい。