仏政府、新型コロナ感染防止アプリの開発に遅れか

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オー仏デジタル経済閣外相は4月17日、仏下院での答弁の際に、政府が準備する新型コロナ感染防止アプリ「StopCovid」が5月11日に予定される外出制限の解除には間に合わない可能性があると示唆した。また、4月28日に予定される「StopCovid」に関する国会審議にはいずれにせよ間に合わないと言明した。同様のアプリの開発を行っている仏通信大手オレンジのリシャールCEOは同日、閣外相の発言に先立って、プロトタイプの動作確認を終えた、と言明していたが、閣外相は、「様々な技術的問題が徐々に解決されている段階にあり、数日中に詳細を明らかにする」と述べるに留めた。
アプリは、ブルートゥース経由で近辺にある他の端末を検出し、その情報を一定期間記録するという仕組みで、接触者の中に感染者が出た場合に通知がなされることになる。ブルートゥースでは、アプリを搭載した端末間の距離は計測できず、濃厚接触を意味するかどうか確定できない点が問題となっている模様。また、ブルートゥースの電波が、壁や近隣の無線LANの電波により撹乱されてしまう可能性もある。ブルートゥースの実装の仕方がスマホにより異なることも、困難の1つとなっている。このような問題の解決には、スマホ・メーカー、米グーグル(Androidの開発者)及び米アップル(iOSの開発者)との協力が必要になる。グーグルとアップルは先週、この点に関する協力を発表したが、両社のソリューションが使用可能となるのは5月半ば以降のこととされる。加えて、アプリでは、ブルートゥースが常にアクティブである必要があるが、バッテリーの稼働時間が限られてしまうという欠点があり、ローザンヌ大学の専門家によると、サイバーセキュリティ上の問題も生じる可能性がある。