英国政府、封鎖措置を3週間延長

英国のラーブ外相(療養中のジョンソン首相の代理)は4月16日、新型コロナウイルス対策の封鎖措置を5月7日まで延長することを発表した。英国はほかの欧州諸国よりも遅い3月23日に封鎖を導入していた。外相は期限を延長したのみで、封鎖解除の戦略や日程は明らかにしなかった。最大野党・労働党のスターマー党首は、外相に宛てた書簡で、封鎖の延長には賛同したものの、国民は政府が先の見通しを提示することを求めており、封鎖をどのような基準や日程で緩和するのかを明らかにするべきだと主張していたが、外相は明確な見通しの提示は拒否し、早すぎる封鎖緩和は感染のリバウンドを招くリスクがあると警告し、毎日の新規死者数が持続的に減少することなどが封鎖解除の決定を下すうえでの判断基準となるなどと説明するにとどめた。
英国での日々の新規死者数は15日まで4日間にわたり800人を下回ったため、感染曲線が平坦化したとの見方も出ていたが、16日には新規死者数が861人に増え、累積での死者数は1万3729人に達した。これは米国、イタリア、スペイン、フランスに次いで世界5位だが、英国の場合は病院で死亡した患者のみを数えており、高齢者施設での死者数を考慮していないため、不正確だとの批判も寄せられている。
政府が解除の戦略を明示しない背景には、閣僚間の対立で一致した方針を決定できないという事情もあるとみられている。スナック財務相などは経済への影響を考慮し、早期の封鎖解除を提案しているが、世論調査によると国民の大多数は経済を犠牲にしても封鎖を延長して感染拡大を食い止めることを支持している。
ちなみに、予算責任局(OBR)は封鎖が3ヶ月間続き、その後の3ヶ月間に段階的に緩和された場合、年間GDPは13%減少し、失業者数は200万人増加し、財政赤字のGDP比率は14%に達すると予測している。
政府の新型コロナウイルス対策の顧問であるインペリアル・カレッジのファーガソン教授は、封鎖解除に際して重要なのは検査能力の強化と、感染者の追跡と濃厚接触者の特定だとしている。政府は4月末までに1日当たりの検査数を10万件に引き上げると予告しているが、現状では目標に程遠い。
また封鎖解除などの重要な決定を下すのはジョンソン首相の職務復帰を待ってからになるとの見方も強い。首相は12日に退院した後、まだ別荘で療養中だが、感染後の入退院を経て支持率は上昇している。3日間にわたり集中治療室で治療を受けた首相は国民保健サービス(NHS)への謝意を表明しており、過去10年間の緊縮策で弱体化したNHSや社会保障制度を補強するための支援措置を講じる見通し。