2020年3月31日 編集後記

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毎朝TVニュースも新聞もCOVID-19の感染拡大に関する話題で一杯だが、人々が危機感でひりひりするような日常を送っ ているかといえば、そうでもない。フランスの外出制限が2週間に近づきつつある中で、久々に近所のスーパーに買い物 にでかけたら、あいかわらずけっこうな数の人とすれ違う。自分も外出中だから偉そうなことはいえないが、子供連れ で散歩したり、遊んでいる人が多い。小さな子供を長期的に屋内に閉じ込めておくのはやはり難しいのだろう、と同情 しつつ、日々の散歩が必要な犬と同じようなものか、と納得。店の前で一定の距離を置きつつ行列するのはすっかり慣 習として定着した感があり、マスクを着用している人もちらほら。前回は残っていなかったトマト缶が少しあって嬉し かったが、驚いたのは石鹸の棚で、固体・液体のあらゆる石鹸が完全に売り切れていた。あまり買い置きのない筆者と しては将来の手洗いに不安が生じたものの、これを気にフランス人が頻繁に手洗いを心がけてくれるなら嬉しいかも。 しかしぽっかりと空っぽの棚を前に、「戦時体制」のようなものを実感して、あらためて緊張を覚えた。日本では外出 自粛の呼びかけを無視して「不要不急」の花見にわざわざ出かけるような人もいると聞くし(桜の花を見ながら一首詠 まないと生きていられないほど、伝統的美意識が発達しているのかも)、世界情勢とずれた危機意識の薄さは良くも悪 くも日本人の特徴なのだろうが(もっとも特に品不足が懸念されるわけではないトイレットペーパーの買い占めに走る ような無用な危機感は強いのが面白い)、感染爆発につながらないことを祈る。