マクロン大統領、ヒドロキシクロロキン派のラウール医師と会談

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マクロン大統領は4月9日、マルセイユ大学病院を訪問した。1日3500回の新型コロナウイルス検査が可能な検査システムなどを見学。同病院の責任者を務めるディディエ・ラウール医師とも会談した。同医師は、ヒドロキシクロロキンに新型コロナウイルス感染症の治療効果があると主張しているが、マクロン大統領はこの機会に、同病院で行われている独自の投薬の成果の報告を受けたとされる。報道によれば、「91%の有効性」が確認されたとする内容という。
ヒドロキシクロロキンの治療効果については議論がある。ラウール医師には熱心な信奉者が政界等にもいる一方で、専門家の中には懐疑的な見解を示す向きも少なくない。マクロン大統領は9日に、パリ近郊のクレムランビセトル大学病院も訪問し、欧州レベルで複数の治療薬候補を対象に行われている臨床実験「ディスカバリー」の進捗状況について専門家からの意見を聞いた。大統領としては、13日に予定するテレビ演説を前に、多数の関係者から意見を聴取する一環としてラウール医師との会談も位置づけているといい、大統領府筋は、特定の主張に肩入れするつもりはないと説明している。