ルメール経済相とダルマナン予算相は10日付の仏経済紙レゼコーとのインタビューの中で、新たな補正予算の内容について明らかにした。施行済みの補正予算には450億ユーロの緊急支援プランが盛り込まれていたが、これを1000億ユーロにかさ上げすると説明した。また、新たな補正予算は、2020年の経済成長率をマイナス6%に設定。最初の補正予算ではマイナス1%だったが、これを大幅に修正した。財政赤字の対GDP比は7.6%(最初の補正予算では3.9%)に、公的債務残高の対GDP比は112%へ膨張する。補正予算法案は15日の閣議決定を経て、国会における緊急審議に付される。
新たな補正予算は、経済成長の後退に伴う減収分を370億ユーロと予想している。1000億ユーロにかさ上げされた緊急支援プランのうち、支出に由来する分は、補正予算時の120億ユーロから350億ユーロへ増額された。うち、国の予算からの分は225億ユーロ(残りは社会保障会計等)となる。項目別では、一時帰休の適用拡大に相当する分が、85億ユーロから200億ユーロへ増額される。また、「連帯基金」(零細企業・自営業者の収入欠損を補填)が10億ユーロから60億ユーロへ増額される。医療関連の支出は20億ユーロから70億ユーロへ増額される(医療装備の購入、医療関係者の報酬増額)。歳入面の措置では、公租公課・社会保険料の納付延期措置の規模が350億ユーロから500億ユーロへと拡大された。このほか、戦略的企業への資金供給を目的に、200億ユーロの予算枠が設定された。ルメール経済相は既に、エールフランスへの大型の資金協力を約束している。