2019年10月29日 編集後記

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さあ今月末でいよいよ英国がEUを離脱するぞ、と待ち構えていたら、またしても延期が決まった。たとえは 非常に悪いが、いつまでも本当に裸にならないストリップみたいなもので、観客の側では、どうしても見て みたい、という当初の意気込みが薄れると同時に、ムカムカして「もういい、引っ込め」と罵倒したくるの ではないか(想像だが、多分そうだろう)。英国としてはいまさら引っ込みがつかないだろうから最後には 全部脱ぐだろうが(いや、EUという衣から抜けるのだろうが)、その頃にはもうあまり見たくないほど贅肉 がつききって、醜い裸体を晒すことになりそうだ。
くだらない喩えはこのあたりでやめておくが、離脱を国民投票で一気に決めたあたりでは民主主義の潔さが 鮮やかだったのに、その後の離脱合意の交渉と議会による承認の過程では民主主義につきものの優柔不断な もたつきが目立った。さすがに民主主義の手本とされる国だけあって、良い面も悪い面もしっかり取り揃え て見せてくれる。中国やロシアや米国が将来の覇権をめぐってさかんに攻勢をかけるのをよそに、欧州はこ の離脱問題に膨大な時間を費やしてきたわけだが、まだ出口が見えない。そうこうするうちにITや安保では 欧州の影響力は限りなくゼロに近づいていく。今後もいろいろな局面で、反面教師として活用できるだろう。 欧州は本当に使い出があって嬉しい。