2019年11月5日 編集後記

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先月末にEUを離脱しそこなった英国は、実は離脱の記念硬貨を着々と準備していたのだった。「平和、繁栄、 すべての諸国民との友愛」という言葉が刻み込まれた50ペンス硬貨で、残念なことに「2019年10月31日」と いう日付もきちんと入っていた。記念硬貨だから日付なしというわけにもいくまいが、来年の1月末までの 再延期により使用不能になってしまったために、すべて廃棄処分にするはめになった。政府が王立造幣局に 発注していた記念硬貨の枚数は一説によると300万枚ともいい、実際に製造済みだった硬貨の枚数は不明だ が、完全に粉砕したうえで溶解し、材料の金属は次の機会に再利用するために保管する。廃棄処分の費用は すべて王立造幣局が負担するとのことで、一見気前が良いが、王立造幣局は100%なので国営だから、結局 は納税者が負担することになりそうだ。記念切手などではいわゆるエラー切手に高い値段がつくことがある が、王立造幣局の廃棄処分を逃れて好事家の手に渡ったブレグジット記念硬貨がもしあれば、きっと高値で 取り引きされることだろう。ブレグジットに関する限り、失態続きの英国当局なだけに、すでにこっそり持 ち出されてしまった記念硬貨があることに50ペンス賭けておこう。