2020年1月7日 編集後記

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本日はシャルリー・エブド襲撃事件の5周年に当たる。人類史で極めて重要な役割を担ってきた宗教というものが実は滑 稽な幻想に過ぎないことが明確になってからすでに数世紀を経たはずなのだか、いまだに宗教を風刺することがこれほ ど難しいのは不思議だ。いや、だからこそ宗教を風刺することにいまだに意味があるとも考えられるが、何の根拠もな いことが明らかな思考体系が、風化や形骸化をこうむりつつも、しぶとく生き延びていることに、素直に驚くべきなの かもしれない。宗教とイデオロギーは本質的には同じものだと言われるが、近代以降のイデオロギーが急速に色あせて、 「大きな物語」が消滅した時代において、中世以前からの宗教や信仰が根強い影響力を発揮し続けているのを見ると、 賢さは長続きせず、持続可能な愚かしさこそ我々の運命のようなものではないかという気もしてくる。自分のことを振 り返っても、迷信としか言いようのない脅迫的な観念に揺り動かされていることがかなりある。自分の愚かしさを一般 化するつもりはないのだが、「愚」こそが人類の未来を左右する最大の要因のようにも思われて、興味が尽きない。