2020年2月18日 編集後記

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スカンジナビア航空の広告が極右勢力による攻撃の標的となっている。広告を制作したデンマークの広告代理店に爆弾 テロの予告があり、コペンハーゲンの警察が出動するという騒ぎが14日に起きた。この広告の内容は、北欧諸国の自慢 の食品(スウェーデン肉団子など)・製品(ノルウェーのクリップなど)・制度(民主政など)・習慣(自転車の利用 など)が実はどれも他国で発明されたものをコピーしたに過ぎず、北欧には独自のものなど一つもない、というもの。 換言すると、北欧は世界のあらゆる地域から来る人やものを一切拒まず、オープンに受け入れるよ、というアピールに なっている。
文明とか文化というのは実際にはどれも先行する他の文明・文化からの借り物に独自のアレンジを加えたものであり、 独自性などという概念は空疎だというのは文明論としては正論以外のなにものでもないが、お国自慢にこだわる極右の 逆鱗に触れてしまったようだ。世の中にはあらゆる発明が自国に起源を持つと主張したがる国もあるが、さすがに北欧 は文明の進んだ地域だけあって、こういうクールな広告が打てるのだなあ。自信と余裕がないとできないわざでもある。