フィリップ首相は27日午後、外出制限を15日間延長すると発表した。17日に始まった外出制限は31日に終了する予定だったが、これを15日間延長し、4月15日までとした。再延長の可能性も否定されていない。首相は、感染のピークはまだ来ておらず、これまでの2週間よりも、これからの2週間がより厳しい状況となることが予想されるとして、より一層の規則の遵守を国民に対して呼びかけた。外出制限の強化は見送られた。首相は、これまでのところ、全体としては制限はよく守られていると説明、国民に対して感謝の念を表明するとともに、今後とも、外出制限を遵守することで感染拡大を防ぎ、結果として医療スタッフの負担を軽減するよう努めてほしいと呼びかけた。なお、外出制限の遵守状況の検査はこれまでに400万件がなされ、26万件の罰金処分が適用された。
これとは別に、フランス政府は先頃、中国の深セン地方のメーカー数社にマスク6億個を発注した。うち7400万個がFFP2ウイルス対策マスクとなる。特別貨物便による輸送が29日から始まったといい、同日にはマスク1000万個を乗せた特別機が出発したという。中国側はこの種の物資輸送を大々的に報じて、国家威信回復の手段に用いているが、仏大統領府はこれを、「相互主義」に基づく互助であると強調。1月末に欧州委員会が56トンの援助物資を中国に送ったことを挙げている。当時、中国政府に配慮して、こうした援助については公表されていなかったが、中国政府が援助の実績を強調していることを欧州側では苦々しく思っている向きもある。