新型肺炎:有給休暇等の消化を従業員に対して義務付けることが可能に

国会で採択された緊急法案により、企業が従業員に対して有給休暇等の消化を義務付けることができる旨を定めた特例措置が導入された。新型肺炎に伴う事業停止時に有給等を消化しておき、危機が収束したところで事業を急ピッチで拡大できる体制を整えるのが狙い。
当初の政府案は、来年分の有給休暇も前倒しで消化できる旨を定めていたが、労組の反対もあり、5月31日までの1年間に消化すべき分についてのみ、企業側が日程を決めて消化させる権限を行使できるとの制限が加えられた。また、日数も、最大で6日間に制限された。企業側がこの権限を行使するには、予告期間に関する労使協約が成立していることが要件となり、この点でも縛りが加えられた。予告期間は最短で24時間と設定することができるが、予告期間に関する労使協約がない限り、強制的に有給休暇の消化を義務付けることはできない。ちなみに、通常の制度においても、4週間以上前に予告をすれば、有給休暇の消化日程を経営者側が設定することができるが、特別制度はこの点に関する柔軟性を経営者に対して与えるものとなる。
半面、時短休暇(週35時間制の導入に伴い労使合意により設定された代休)等については、労使協約を結ぶ必要はなく、日数制限等も設定されていない。