統一市町村選挙の第1回投票:投票率は過去最低に、現職有利の展開に

フランスでは15日に統一市町村選挙の第1回投票が行われた。政府が新型肺炎対策で外出を控えるよう呼びかける中で、投票は決行された。投票率は45.5%と、2014年の前回選挙の63.5%を大きく下回り、投票者数は過半数を割り込んだ。新型肺炎の懸念が投票率の大幅低下の形で現れた。
選挙結果は全体として、現職有利の展開となった。市町村選挙ではこの傾向が毎回顕著だが、出馬した閣僚のうち、前回選挙でも当選したリエステル文化相(クーロミエ市)とダルマナン予算相(トゥルコワン市)がいずれも、決選投票を待たずに当選を決めた。前回選挙ではルアーブル市で決選投票を待たずに当選を決めたフィリップ首相は、当選は逃したものの、43.6%の得票率で首位を確保した。
現職有利の傾向は右派と左派の両方に当てはまり、社会党所属のオブリ・リール市長、アペレ・レンヌ市長、ルフォル・ルマン市市長はいずれもトップで決選投票に進出した。共和党でも、大物のバロワン・トロワ市市長は決選投票を待たずに当選を決めた。極右政党RNも、現職がいずれも健闘し、フレジュス(南仏バール県)、ボケール(南仏ガール県)、エナンボーモン(北仏ノール県)ではいずれも決選投票を待たずにRNが勝利した。RNと協力関係にあるベジエ市のメナール市長も第1回投票で再選を決めた。それ以外の市ではRNの躍進は見られなかったが、唯一、ペルピニャン市では、RNの候補リストが前回とほぼ同じ36.5%の得票率を達成。現職のプジョル市長(共和党)のリストの得票率が19.5%と大崩れし、RNがトップとなった。他方、環境政党EELVは多くの市で躍進が目立った。大都市の現職はグルノーブル市のピオル市長のみだが、同市長のリストは46%の得票率を確保。これ以外では、ボルドー市でEELVの候補リストが35%程度の得票率を達成し、現職フロリアン市長(共和党)と接戦を展開。ストラスブール市でも、EELVの候補リストが得票率27.6%でトップとなる見込み。リヨン市では、現職コロン市長が選んだ候補リスト(14%)を抑えて、環境派のドゥセ氏が率いる候補リストが28%でトップに立った。
乱戦模様になると予想されていたパリ市では、蓋を開けてみると現職イダルゴ市長(社会党)が率いるリストが得票率30%超を記録。ダティ候補が率いる共和党のリストは22%、政権与党LREMのビュザン候補が率いるリストは17.6%に留まり、有利に決選投票へ駒を進めた。EELVの支持(得票率11.2%)が得られれば再選は有力になる。
決選投票は1週間後の22日に行われる予定だが、新型肺炎で実現が危ぶまれている。フィリップ首相は15日、開票結果の発表後に、有識者委員会に諮問し、各政党の代表と協議した上で、コンセンサスの得られる対応を決めると説明。多くの政党が延期を要求しており、首相が延期を決める可能性が濃厚となっている。